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出動の前、スコルツェニィは隊員達に
『予備軍部隊将兵の命は奪うな、戦闘能力のみ奪え。
発砲は極力控えよ』
と訓示していた。
スコルツェニィは中核さえ倒せば…
このクーデターは頓挫する、そう睨んでいた。
そして、彼らフリーデンタール特殊部隊が向かったのは…
テンペルホーフ・シェーネベルク地区であった。
そこにはベルリンを管轄とする、ハーゼ少将直轄の予備軍部隊がいたからであった。
彼らの兵力は3000…
スコルツェニィ達は500…
その差は6倍もあったが…スコルツェニィは大して気にしていなかった。
それよりも、スコルツェニィが気になっていたのは…
クーデターを起こした人間達と、爆弾を仕掛けた…実行犯の、シュタウフェンベルク大佐についてであった。
「何故…あんな高位の軍人が?」
スコルツェニィには…その理由が解らなかった。
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