第四章…ワルキューレは降りず

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出動の前、スコルツェニィは隊員達に 『予備軍部隊将兵の命は奪うな、戦闘能力のみ奪え。 発砲は極力控えよ』 と訓示していた。 スコルツェニィは中核さえ倒せば… このクーデターは頓挫する、そう睨んでいた。 そして、彼らフリーデンタール特殊部隊が向かったのは… テンペルホーフ・シェーネベルク地区であった。 そこにはベルリンを管轄とする、ハーゼ少将直轄の予備軍部隊がいたからであった。 彼らの兵力は3000… スコルツェニィ達は500… その差は6倍もあったが…スコルツェニィは大して気にしていなかった。 それよりも、スコルツェニィが気になっていたのは… クーデターを起こした人間達と、爆弾を仕掛けた…実行犯の、シュタウフェンベルク大佐についてであった。 「何故…あんな高位の軍人が?」 スコルツェニィには…その理由が解らなかった。
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