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スコルツェニィは、「ヴォルフ・シャンツェ」と呼ばれる、東プロイセンのラステンブルクに設営されたヒトラーの大本営に行くのは…
今回が初めであった。
スコルツェニィは、総統大本営と言うのだから…厳重に防備された施設を思い浮かべていた。
しかし、到着してみると…意外にもそこは森の中の小さな村で、地上に出ている施設は…想像と違っていた。
守備に当たっているのは…SSの歩兵一個大隊と数十門の高射砲だった。
しかし周辺を見回しているゆとりはなかった。
ヒトラー付きの背が高く…隙の無いSS将校が案内に立ち、スコルツェニィを会議室に案内した。
案内された会議室は、直ぐに高級将校達でいっぱいになった。
全ての将校が…スコルツェニィよりも上の階級で…
この極めて重要と思われる秘密会議に出席するため…全ヨーロッパから召喚されていたのだった。
スコルツェニィ唇が乾くのを覚えた。
「これはいったい…なんなのだ?」
スコルツェニィの緊張は高まっていた。
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