第四章…ワルキューレは降りず

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シェーネベルク地区の親衛隊本部は、市街地中央にあり… 予備軍部隊はその建物を包囲していた。 この部隊の指揮官、ギュンター少佐は、中からの散発的な銃撃により、思うようにいかない進捗状況に苛々していた。 彼に与えられた指令もまた… 『無血による武装解除と最小の破壊』 であったため… 無理攻めが出来ないでいた。 『ええい!腹立たしい!親衛隊などに情けは無用と言うのに…』 彼の苛つきは沸点に達しようとしていた。 ……………………………… その同時刻、スコルツェニィは包囲されている親衛隊本部との連絡に成功していた。 『そちらの状況は?まだ頑張れるか?』 『スコルツェニィ少佐!まだ頑張れますが…奴ら、包囲しているだけで突っ込んで来ません』 『敵の指揮官は?どの辺にいるか解るか?』 『建物の真正面の奥に…キューベルワーゲンが停車しております、多分その辺りかと…』 『解った!君達はもう少し頑張ってくれ!今から頭を潰す!』 親衛隊本部との無線を切ったスコルツェニィは、部隊を三分割し、突入の態勢を取った。
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