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現実は甘くなかった。
井上だけでなく、周りの男子、女子までが俺を罵ってきた。
俺が密かに恋心を抱いていたエリカまで。
『…充、もうあたしに近寄らないで』
いつから俺はばい菌扱いだ?
『…これ、返す』
渡されたのは、前、一緒に遊んだ時に買ってあげたストラップだった。
ピカチュウの。
俺なにした?
エリカまでに嫌われるような事したか?
あんなに喜んでたのに。ありがとうって言ってたじゃないか。
ずっと携帯に付けてくれていたのに。
『要らないの?』
『…うん』
『俺、なんかした?』
『……』
『無理に周りと合わせなくてもいいんだよ?』
『………』
『…まあ。いいや、分かったよ。』
気付くと井上が俺を睨み付けていた。
ああ そういうことか。
恋は盲目だ。
きっかけなんてこんなもんだ。
一度嫌いになったらあとはどんどん深くなる。
嫌いになるのは簡単だ。取り返すのが難しい。
俺、別にエリカとヤってなんかいないけども
むしろキスもしてない、なんもしてない。
はぁ
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