現実青年

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(はら、へった、しぬ、まじ、かね、ほしい、でも、ひる、ねたい、よる、ばいと、する、ひる、きょく、つくる、せかいせんりゃく、あたらしいの、かんがえる、まじ、はら、へった…) のりおの思考回路は絶食2日目にして原始的に狂っていた…。 とりあえず彼は求人情報紙に目を通し、深夜のバイトを探した。 今彼の所持金は…20円。絶望である。 月末までに金が入らないとアパートの家賃が払えなくなる…。 彼は考えた末、深夜のコンビニバイトを決意。幸運なことに面接がなく、簡単な研修のみで採用してくれ、時給もそこそこいい…今汚い虫食いスーツしか持っていない彼にとっては最高の条件である。 のりおは自転車で倒れそうになりながらもコンビニにたどり着き、まずは「うまい棒」2本を買い、それを食べてどうにか思考を取り戻した…そしてお金が全て無くなった…。その後レジ打ちの説明を受け、夜12時から朝6時のバイトが始まる…。 この時間帯は本当に暇である。店内ものりおと若いバンドマンっぽい連中2人しかいなくて、閑散としている…。 そんな中客が来た。酔っぱらったヤクザである…一番タチが悪い深夜の客だ。 ヤクザはレジ打ちののりおの前に弁当を持って彼に交渉を始める。 「オウッ!!こんな時間客もおらんやろッ!!!このとんかつ弁当高いんじゃ!!負けたれィや!!」 のりおは…絶望した…あまりの面倒くささに…。 「すッすみません…それはちょッと…無理ですね…」 こんな脳みそのシナプス小体が腐ったようなヤツに…丁寧に対応してやんの面倒くせーと思いながら、のりおは断った。 「んだとォラ!!!!」 酔いどれヤクザがのりおの胸ぐらを掴んだ。 「てめェ…お客様の命令が聞こえねーのかオラァ!!タダにしろや!!!」 酔いどれヤクザはいよいよ無茶なことを言い出し始める…。 それがのりおの逆鱗に触れまくる…。 (お客様…だァ!?知能も猿以下のヤクザ風情が…!?こんなヤツに…頭下げてられっか…ブチ殺すッ!!!) のりおはレジ横にある熱々おでんの汁を救いヤクザの顔にブッ掛けた。 「ひャ…あッ…熱ィィィィッ!!」 ヤクザが手を話した隙…のりおは鞄からいつも持っているサバイバルナイフでヤクザの腕を突き刺し…そのまま地面に這わせた…。 床には血が流れる。 その様子を暇そうにしていた2人の若い連中が息を殺し…見つめていた。
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