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「この世の中に俺のメッセージをぶちまけてやる!!陳腐なラヴソングや応援ソングに浮かれてる凡人ども、俺のROCKで「洗脳」してやるぜ!!!」
平日の昼間から危険思想を患い、シコシコと曲創りに没頭する全裸の男…
青山のりお
21才
無職(本人曰く、ROCKの伝道師)
彼はアパートにこもってレスポールを片手に曲を創る日々がとある理由で大学を中退した1ヶ月前から続いている。
「……よし…行きますか…」
どうやらまた一曲出来たらしい。
彼は立ち上がり、「出撃」の準備を始めた…顔中にKISSが崩れたようなメイクを施し、破けジーンズに彼が「FUCK ME」とスプレーしたダイソーの100円シャツに着替え、そしてビールを1缶飲み干した。
「…ぶ、ぶぶぶぶちまけて…やるるるる…」
そして最寄り駅へレスポールを担ぎ、自転車で向かった…。
時は夜8時。駅前には路上ミュージシャンが陽気に歌を歌っている…客は30人程で、なかなか人気があるようだ。
「ラララー僕は君が好きさ~ラララー」
ユルい手拍子にユルい歌にユルいギターがマッチし、ユルい空間が既に完成していた…。(………なななナメとんのかくくくクソが…ききき客もクソ以下だ…俺が「洗脳」してやる)
彼は電光石火の如く自転車で突入し、レスポールをスッと取りだし、飛び降りて勢いでミュージシャンの頭をブッ叩いた。
ゴスッ。
「げぴっ」
ドサッ
ミュージシャンは気絶した。
ユルい空気は一転し、まるで麻雀マンガ「カイジ」によくあるざわ…ざわ…といった空気になった。
彼は観衆の前で開口一番…叫んだ。
「おおおおいっ!!堕落していることにも気が付かないマスかき猿人間どもよっ!!俺が調教してやるぜえッ!!!」
「おいてめえ誰だよ!?」
「警察よべ!!警察!!」罵声が飛び交う。 彼は続けた。
「うっるせえ!!曲聞かしてやんよ!!逝くぜッッ!!「猿どもに告ぐ」!!!!
彼はレスポールをかき鳴らし歌い始めた。
ち〆ち〆!!
お〆〆こ!!
ち〆ち〆!!!
お〆〆こ!!!
きーもちーなー
この猿どもが!!!!(以後繰り返し)
余談だが、この最低な歌詞は彼にとっては力作らしく、彼曰くSEXに溺れSEXの本当の意味を忘れた若者(もとい猿)に警鐘を発する詩だというが…因みに彼は童貞である。
もちろんその場は大混乱し、彼は何人かの人間を殴ったあげく、警察が来たので、逃げた。
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