青年の転機

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「……」 のりおは何も答えない。 「…青山さんッ。俺等本気なんですッ…青山さんが路上で変革ヤる時も…俺等が爆音で演奏してもっと沢山の連中に青山さんの変革のメッセージが伝わるように…手助けしますッ!」 寅泰が念を押す。 「……」 今さら状況の掴めたのりおは悩んでいた。 彼は今までバンドを組んだ経験がなかったのだ。 高校、大学と彼はチャラチャラした学生バンドを嫌悪していた。 (……クズだ。何が「ハッハーん何かいい感じ♪イエーイ♪みんな愛してるぜーい♪」だ…。奴等はROCKの本当の意味を知らずに…ただ女とヤりたい、演奏テクを見せびらかしたいが為だけに…バンド組んで馴れ合っていやがるッ!!どこもどうせそんな馴れ合い共ばかり…俺はそんなバンドなんて御免だ…組む意味がないからだ…) 彼はいつもそう考えていたが、実際はバンドを組みたい気持ちを自分に隠す「言い訳」に過ぎなかった…。 そんな彼が今、バンドに誘われている。 しかも、彼の行動やメッセージを尊敬してくれた相手が…彼を誘っているのだ…。 (……俺は…今コイツ等に「バンド組もう」と誘われている…それは助かるし、やはり嬉しい…しかし…今警察にマークされている俺と行動する事は…コイツ等をも巻き込んでしまうという事ッ…) のりおは考えた末、2人に問うた。 「…お前等は、ROCKで世界を変えるという本気の「覚悟」は…出来ているのかッ!?それだけを聞きたい…」 「勿論ッ…青山さんを誘った瞬間から覚悟はついてますよ!!なァ智也!!」 「当たり前だ…青山さん…俺も当然です…何かクソつまらない世の中を俺等で変えてみるのも悪くないかなと…思って…」 2人の返事を聞いて、のりおは答えた。 「……わかった。よろしくな。」 そしてその夜3人は深夜のコンビニを勝手に閉店し…中のビールを飲み、商品を食い荒らし、色々なことを語り合った…。 「あああ青山さーん!おおお俺等感激ですー!世界変えましょー!絶対変えましょー!」 寅泰の顔は真っ赤だ。 「の…飲み過ぎじゃねーか?おっここの商品も頂いていくか…これで当分は生きていける…」 「青山さん気にしないでください…コイツ酒弱いんですよ…」 「うううるせぇ智也ァッ!ウボェアッ」 「何で喋りながら吐くんだよ…」 そんな中楽しんでいたのりおの目に…血まみれのヤクザが飛び込んできた… (アレどうしよ…) 悩んだ。
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