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ここらで、青年「青山のりお」の過去について触れておこう。何故彼は現在このような「出撃」を繰り返すのか?
答は彼の過去に遡れば見えてくる。
彼がROCKに本格的にのめりこんだのは中学3年の頃である。
当時、彼は成績は優秀たが非常に気弱な男で、誰ともまともに会話できないばかりか、その性格が災いして彼は同年代の「パシリ」という情けない役目をヤンキー連中に押し付けられていた。
「おい青山、いつものヤツ(マルボロ)頼むわ!」「俺も頼む!」「俺セブンな!」いつものりおにパシリを押し付けるヤンキー連中である。
「え…あ…えぇ…」
「あ!?」
「わ…わかッタ…」
毎回この調子である。
彼はいつものタバコ自販機までのパシリ道、いつも同じことを考えていた…。
(……うぜぇ。何で社会のゴミ以下で親や周りにも迷惑かける糞どもがうまい汁を吸って…学校にも社会にも貢献している俺のような善良な市民がいつも苦汁を飲まされるんだ…畜生が…世の中狂ってる。この世を変える手っ取り早い「方法」はないのか!?)
彼はこの頃から、(一方的に)世の中を憎んでいた。
そんなある日のパシリ道、彼は駅前にいた。時間は夜7時、彼はヤンキー連中に怒られることを恐れ、駆け足で駅前を抜けようとした。
その時、彼の眼前に2人の男が舞い込んだ。一人は上半身裸でパンツ一枚、顔は閻魔だか悪魔だかわからない白塗りメイクでアコギをかついでいる。もう一人は「BITCH」と書かれたシャツを着て、スキンヘッズにカマキリサングラスをかけ、ドラムスティックを持っていた。
彼はこの状況に呆気に取られていた…落ち着いて周りを見回しても、やはり周りも呆気に取られていた…。
そして、「奴ら」が叫んだ。
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