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「音霧が闇音として人斬りやってんのはわかったけど…
今どこにいんだ?」
永倉が聞く。
「ん?正確には言えないけど、島原の遊郭にいるよ」
ん?
土方は聞き捨てならなかった。
島原…遊郭…。
こいつ女?????!!!
「おま…女?」
恐る恐る聞くと当たり前のように頷かれた。
「だ、だめだよ、音霧!!
遊郭なんて!」
「そうですよ、音霧。遊郭が何かわかってるんですか?」
平助が言うと同調して山南が言う。
「平助…大丈夫だから。
敬介さんも。あなた俺のお母さんですか。」
母…父じゃなくて母。
そのことに若干ショックを受けた山南は黙ってしまった。
「大丈夫だよ、ホントに色は売ってないし。」
なんなら来る?と言った音霧はその瞬間に後悔した。
…原田、永倉の顔が輝いていたと言っても過言ではないくらいの喜びようだったから。
「…言わなきゃよかった」
こうなったらどうにもならないことを知っているため、諦めたようにため息をついた。
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