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* * *
「集まったか。」
ここは壬生浪士組屯所。
そして今から合議が行われるところだ。
「てめぇらも知ってるだろうが、昨夜また辻斬りが出た。」
乱暴な言葉遣い。そして整っているが目つきがキツイこの男は鬼の副長と隊士や幹部でさえ恐れられる土方歳三。
「またかよー!!!で、いつものやつー?」
「会ってみてえな、強いのかねぇ」
「うるせえよ、2人とも。」
上から副長助勤の
藤堂平助、原田左之助、永倉新八。
「副長。集めたということは…」
煩い3人を無視して土方に話しかけるのは斎藤一だ。
「おう。今日の夜の見回りは…総司だろ?」
「やったぁ!!!
捕まえるんですか?殺すんですか?」
無邪気に喋るのは沖田総司。
3人は喋り終えたのか、総司ズリィ…と恨めしそうに見ている。
「私も刀を交えてみたいと思っていたんですよね、
人斬り闇音と。」
わくわくしている沖田。
相当嬉しく、楽しみらしい。
「でも土方君。
闇音の標的に共通点はないんですよね…
何が狙いなのでしょう?」
丁寧な紳士的な喋り方なのは土方とは真逆に、仏の副長と呼ばれている山南敬介。
「山南さんか、だから闇音は人斬りとも辻斬りとも呼ばれてるんだろう。」
そう、闇音に殺された人らは関係性がないのだ。
幕府側、敵対する長州ら、同じ人斬り、
様々なため無差別とも言われているが。
「総司ぃ、今日の見回りで闇音のツラ拝んで来い。
できるなら捕縛しろ。」
沖田はその言葉に、えー…殺しちゃダメなんですか。手加減って難しいんですよね。
ともう刀を交えるつもりでいる。
結局、最後はぐだぐだに終わったが沖田だけはワクワクしながら自室に戻るのだった。
残った部屋で
大丈夫なのか?と土方が柄にもない心配をしているとは知らず。
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