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200メートル、100メートル、50、30、20・・・!
「ここだっ!!」
ッダアアン!!!!
激突の瞬間、グリップを手前まで引くと推力を前面カット。
地面を思いっきり殴りつけ、体を無理矢理横向きにさせる。
「いけえっ!!」
再びグリップを最奥まで押し込むと、地面スレスレを超高速で飛行する。
機体を振り向かせ、R-9を見るタイガーゼロ。
R-9の内1体は、切り返しきれずに地面に激突、大破する。
「あの機体!隊チョーの動きに完全についてってるぜ!?」
「あの調子で振り回されたら、R-9程度では大破するのも頷ける」
ナイト1とナイト2は、呆れたようにタイガーゼロを見た。
一体目の後ろについていたR-9はあらかじめ飛行速度を調整し、
地面スレスレを滑空するタイガーゼロの後を追う。
「狙い撃ちだ!」
左手をかざすタイガーゼロ。
すると左手から上下に二本の角が立ち上がり、光の弦が角二本を繋ぐ。
「ホークボーガンッ!!」
タタタタタタタッ!!
ホークボーガンから無数のエネルギーの矢が発射される。
そして追ってきた先頭のR-9二体のボディに、雨のように突き刺さる。
「び、びっくりしたあ。さっきからキャラ変わってますよ准将~!」
「馬鹿な…!人間が持てるマイトの種類は一つだけのはずだ!何故『雷』と『土』が使える!?」
「!考えてみたら!パイロットの特性が変わるわけじゃないから、特性が変わる機体って言っても、通常の人間には使えないはず!?」
ダイアスの言葉に、ハッとなるエル。
そんな二人に向かって、ニヤリ、と笑うミズキ。
「戦闘機の本当のフレームは…、大破したのか、近くにはそれらしい残骸がなかったけど、多分属性が一つだったんでしょ。
あの機能は、ゼロ用に私が後付けしたものなの」
とはいえ、属性が変わっても問題なく機能するあの戦闘機のエンジンは、何やら特殊なもののようだが。
しかし、特筆すべきはそれらを使いこなすゼロの能力だ。
「普通じゃないんスヨ、ゼロは。」
<ベアーガントレットォッッ!!>
モニターの向こうでは、拳に装填された無骨な手甲でR-9を撃破するタイガーゼロの姿が見える。
暴走や精神崩壊の兆しも見えない。
ゼロは、完全に属性の違うフレームを制御している。
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