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「合体ッ!!」
ガキィッ!!
背中から機体を空洞に向けて突っ込ませるゼロ。
ゼロ・ファイターはまるで最初からそこにあったかのように、すっぽりとライガー・フレームに納まると、その機首を90度下方に折る。
「ドッキングコンプリートッ!!『レオンゼロ』起動ッ!!」
瞳に、光が宿る。全長25メートル前後の巨大人型兵器だ。
派手に土ぼこりを巻き上げ、イレイザーに向かって構えを取るレオンゼロ。
「が…!?」
「合体だと!?」
驚愕する一同を尻目に、腰に装着された、身の丈ほどもある巨大な片刃のロングソードを抜き放つレオンゼロ。
「レオンブレイドッ!!」
ゼロがそう叫ぶと同時に、刃の表面に黄色く光り輝くエネルギーの刃が出現する。
「あれは秘術兵器(マイトアームズ)か」
「ご名答♪」
1000年前の500年戦争より、更に前に人類が発見した画期的なエネルギー流用法。
マイト。
大戦以前に、世界中、宇宙中に大量に振りまかれたドリームミストという特殊な粒子に、
人間の持つ体力と精神力をブレンドしたエネルギー、『マイト』を反応させ、その姿、形、はては性質までも多種多様に変化させる秘術。
どんな人間も全く同じ力が発現するわけではない。
その人間、個人個人によって『火』、『水』、『土』、『風』、『雷』、『無』のいずれかの属性に大きく分けられる。
レオンゼロのレオンブレイドは、パイロットの雷のマイトを刃に伝えた兵器なのだ。
レオンブレイドを油断なく構えるレオンゼロ。
イレイザーもレオンゼロを警戒し、マシンガンを構えたまま動かない。
「しかし…何故『ライガー・フレーム』に『レオンゼロ』なのだ?」
全身を、黄色に装飾された機体。
しかし特別、獅子をあしらった装飾などは、一切見当たらない。
<ミズキの趣味ですよ。ミズキは『伝説の勇者オタク』ですから>
「う」
ゼロの通信に、みるみる顔が赤くなっていくミズキ。
「なるほど、伝説の勇者をイメージした機体なのか」
ふむ、と微笑みながら、納得した表情を作るダイアス。
伝説の勇者。
一般には名前すら伝わっていない、伝説の人型ロボット集団。
500年戦争に終止符を打ったのち、いずこかへ消え去っていったという伝説の戦士団のことが、ミズキはたまらなく好きだったのだ。
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