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「あっ、これ可愛い…。」
たまたま入ったお店で見つけた一枚のワンピース。
Aラインの至ってシンプルな形で、深すぎないくらいに開いた衿元に、繊細なレースとピンタックが施されている…尚且つ色が綺麗。ブルーのようなグリーンのような深くて落ち着いた色。
でも…。
「星、それ可愛いじゃん。着てみれば?」
ワンピースを手に取ったまま微動だにしないあたしに、麗子は試着を勧めた。
「う、うん…でもスカートはちょっと…。」
もう何年もパンツしか履いてないあたしからしたら、スカートを履くのはかなりの勇気がいる。
「星はスタイルいいんだからもっと可愛く格好したらいいんだよ!勿体ない!」
「で、でも…。」
「でもじゃない!同窓会なんでしょ?たまには女の子してみなさい!パンツはお預け!」
そう言うと、麗子はあたしの腕を引っ張り無理矢理試着室に入れた。
「着て出て来てね、絶対!」
そしてカーテンを閉められてしまった。
仕方ない。
そう思い、物は試しで着るだけ着てみる事にした。
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