残酷な神様

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本人への告知はしないことにした。肺に水が溜まってるからと嘘をついて入院してもらうことになった。 でも、自分でもうすうす気付いてたとは思う。 入院前日、お母さんは準備をしながらあたしに言った。 「お医者さんから、もしも何かあったときのために誰かの連絡先を書いておいてほしいと書類を渡されたんだ、お母さんよっぽど悪いのかもしれない。」 本当の事は言えない、我慢した。ただ涙は止められなかった。泣きながら 「大丈夫だよ、大丈夫だよ…」 それしか言えなかった。 あたしが泣いてる訳をお母さんは聞かなかった。 部屋にはあたしのぐすぐすという音だけが聞こえていた。
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