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その後、お母さんは一言だけ言った。
「…お母さんからのお願い。お母さんも頑張る。だからあんたも頑張るんだ。」
ほんとはこれからどうしたらいいのかも、何をどう頑張ればいいのかも、あたしにはわからなかった。
でも、何かすごく大事なことを言われたのはわかったから、精一杯うなずいた。
「わかった、約束する。あたしも頑張る。」
お母さんは背中を向けてたから、どんな顔で言ったのかはわからない。
でも、その背中はとても小さくて、お母さんじゃない人みたいで。
今ここにいるこの人は、もうすぐいなくなる。
永遠に。
それが悲しくて、また泣いた。
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