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お母さんはあたしにああしろこうしろとは一度も言ったことなかった。他人と比べたりもしなかった。
むしろ気にしたのはあたしの方だ。
あたしのできが悪ければお母さんが悪く言われる、片親だから躾がなってないって後ろ指指されるのは嫌だった。
だからあの頃のあたしは自分で言うのも何だけど、かなりできた子だった。成績も良かったし運動もできた。貰った賞状は数え切れない。
将来はいい会社に入ってお母さんに楽させて、苦労させた分いっぱい恩返ししよう、そんな気持ちだったんだ。
あたしはまだ分かってなかった。
世の中は何が起こるかわからないって事を。
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