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「やーまだー!」
甲高い声が俺の名前を呼んだかと思えば、背後からの奇襲によって強制的に両膝が曲げられ、俺はたまらず崩れ落ちた。
「これで三日連続?いい加減学習しなよね。」
そう言って彼女はせせら笑った。
「少なくとも……学年最下位を争っている君に学習能力の有無を問われる筋合いはないな……。」
ずれた眼鏡をくいっとあげて、俺は立ち上がった。膝が埃にまみれて白くなっていた。
「うるさいわね、頭がいくら良くても、それを実生活に生かせないあんたよりはずっとマシよ!」
「君にはそもそも生かす『何か』すらないじゃないか。俺の勝ちだね。ほら、もうチャイムが鳴るから自分の席行きなよ。」
彼女は不満に頬を膨らませ、すごすごと自分の巣へ帰っていった。それを見送ってから膝の埃を丁寧に払い、俺も席についた。
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