第二話

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っておいおい…未成年はお断りですか、この店は。 さっきから必死に睨んでいるのは、店のメニュー。初めは見知らぬ文字だったら…と内心不安でどうしようもなかったが、心配無用だった。日本語表示で、円まできちんと載っている。 此処って実は日本でしたーとドッキリを食らわせられたりしてな…。 なんて事を冗談混じりに思えば、メニューにならんだ文字を眺めていたが、本当の問題に直面してしまった。どれを見ても酒の名前。後は酒のおつまみしかない。 俺が今欲しい物…――― ――肉より飲み物(これは切実) そういえば言ってなかったがこの変な世界に来る前は普通の高校生を全(まっと)うしてました。ええ、ダラダラと。 流石に酒は高校生の俺には無理…だよな。まぁ今頃の高校生の大体は、たしなみ程度に酒を飲むから無理ではないけどな…。 だが俺は前にお花見の席で景気付けに飲んでその場が悲惨な状態になった、らしい。悪い事に俺はその事を覚えていない。だから何が起こるのか自分でも分かったものじゃない。 諦めが入っているが、聞こえた誰かが酒を飲めと言ってくれる事を期待してあえて言ってみた。 「……喉乾いたな」 メニューを机の横に置いてちらりと様子を伺ってみる。
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