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村に入った私は物陰に隠れながら肉屋を目指した。
倒した魔物は肉屋にさばいてもらい、みんなで分ける事になっている。
……何故隠れながら行くのかというと──
「いたぜ!」
「いましたわ!」
……。
彼らに見つかりたくなかったからだ。
振り返ると栗色の髪の少年と、告白しそびれた少年と、つり目の金髪少女がいた。
「さっきは何で魔女のところなんかにいたんだ?」
「……散歩」
「あぁら、散歩なら村の中だけでもよろしいじゃありませんこと?」
「……」
「あ、あの、村の外は危険だから……危険な事とか、しないで欲しいし……」
「……」
話を聞いてくれないから子供はキライだ……。
「あ!おい、待てよ!」
「逃げるんですの!?卑怯者!」
「あ、えと、またね……」
私は彼らを無視して肉屋へ走った。
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