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無事に肉を入手し帰る途中──
「現れましたわ!」
現れた……。
「今度は逃がさないぜ」
「いいかげん覚悟なさいまし」
……しつこい。
「あぁ逃げるな!?」
「追いますわよ!」
結局、彼らは私の家の前まで追って来た。
……しつこい。
「さ、さあ、もう……逃げられな……ごほ」
「ま、まったく……ぜぃぜぃ……なんて体力ですの!?」
変身中には劣るが、私の身体は同じ年齢の子供より遥かに上だ。
ていうか、ホントしつこ過ぎ。
「……」
「な、何ですの?」
「……何でいたの?」
首を傾げる二人に、私は少年の方を指差して一言。
「魔女の家」
「え!?」
「行ったんですの!?」
「あ、いや、その……」
「危険だから行くなと自分で言っておきながら──」
私は言い争い(少女が一方的に少年を責めている)を最後まで聞かずに家に入った。
……最初からこうすればよかった……。
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