第1話

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 私は周りに誰もいない事を確認して、ローブのポケットから通信機を取り出す。     ピ   プルルル プルルル プルル、ガチャ   「もしもし?」   「マナぁ~魔物来てるわよ~?」    この人は私の母さん。  私の秘密を知る人たちの一人で、一番の協力者だ。   「知ってる。早くアレやって」   「は~い❤準備OKよ🎵」   「了解……」    内心、ため息を吐く。  ……恥ずかしいのに……。    私は通信機を胸元に当てた。    通信機から母さんの声がする。   「マニュエラ・リンガウトの名の下に呼ぶ! 闇の彼方より来る静寂の果ての確かなる剣よ! 光の名を持つ音速の軽やかさと鋼の強さの鎧よ! 我が血肉を分けし娘マナ・リンガウトに力を与えよ!!」    母さんの詠唱により、着ているローブが光の粒に変わっていく。   「闇の静寂を耳に聞き、光の衣を身に纏う! 魔女の守護騎士、リリアナ参上!」    私のセリフが終わるころには、ローブは光の鎧と闇色の剣に変化していた。  ちなみに通信機はケータイ型からインカム型に変わった。   「変身完了~🎵ガンバってねリリアナちゃ~ん💕」   「……はぁ」    正直、やだ。
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