58人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
私は周りに誰もいない事を確認して、ローブのポケットから通信機を取り出す。
ピ
プルルル
プルルル
プルル、ガチャ
「もしもし?」
「マナぁ~魔物来てるわよ~?」
この人は私の母さん。
私の秘密を知る人たちの一人で、一番の協力者だ。
「知ってる。早くアレやって」
「は~い❤準備OKよ🎵」
「了解……」
内心、ため息を吐く。
……恥ずかしいのに……。
私は通信機を胸元に当てた。
通信機から母さんの声がする。
「マニュエラ・リンガウトの名の下に呼ぶ!
闇の彼方より来る静寂の果ての確かなる剣よ!
光の名を持つ音速の軽やかさと鋼の強さの鎧よ!
我が血肉を分けし娘マナ・リンガウトに力を与えよ!!」
母さんの詠唱により、着ているローブが光の粒に変わっていく。
「闇の静寂を耳に聞き、光の衣を身に纏う!
魔女の守護騎士、リリアナ参上!」
私のセリフが終わるころには、ローブは光の鎧と闇色の剣に変化していた。
ちなみに通信機はケータイ型からインカム型に変わった。
「変身完了~🎵ガンバってねリリアナちゃ~ん💕」
「……はぁ」
正直、やだ。
最初のコメントを投稿しよう!