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「私はキヤト族の首領、イェスゲイという、おぬしが馬を止めてくれたのか、ありがとう」
彼はさらにこう続けた。
「どうか私のゲルに来てくれないか?暴れ馬を止めることができるのは英雄であるとの言い伝えが私の部族にはあるのだ。」
俺は彼についていくことに決めた。
「名を教えてくれないか。」
なぜだかわからないが俺は自分の名を思い出せなかった。また過去の記憶すらないのだ。そもそも彼の話している言葉も十分に理解できているとはいえないことに気づいた。俺が困った顔をしているのに気づいたのだろう。
「名乗れんのか、それならそれでよい。だが呼ぶときに不便である。ふむ、そうだな、テムジンと名乗るがよい。」
こうして俺はテムジンと名乗ることになった。
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