目覚めた悪魔

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「殺人事件ですっ!」 小森の一言に俺の眉がピクリと痙攣する。 一昔前は殺人事件なんて大犯罪で、自分が関わる事があるんだろうか? と刑事になっても他人事だった。 しかし━━━ 現代は俺が想像していた未来とは違った。 殺人なんて誰でも犯しうる事件。 子供までが残忍なやり方を知っている。 いつまでも他人事なんて言ってられない。 いつ自分が加害者の抑制を切るのか… いつ自分が被害者に落ちるのか… それは誰も予測出来ない。 「場所どこだ?」 タバコをくわえたまま、シワシワになったシャツを羽織り、脱ぎっぱなしのズボンを履き、適当に掴んだ靴下を履いた。 「同和ビルとマンションの間の路地です」 「すぐ行く」 そう言って電話を切り、タバコの火を消した。
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