先生と書生

2/15
前へ
/122ページ
次へ
    西日のさす、一日の終わりが近づいた時間のことです。 モノカキ先生の新しい原稿を清書していた書生が、ふと筆を休めて尋ねました。 「先生は… 『言葉』についての書き物をしてらっしゃるんですよね?」 ちゃぶ台でお茶をすすっていたモノカキ先生は答えます。 「………そうかも、しれない。」 書生は尋ねます。 「そうかもしれない、とは? ご自身のことなのに?」 モノカキ先生は答えます。  
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加