先生と書生

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書生はまた清書に励みました。 モノカキ先生が2杯目のお茶を考え始めたころ 書生はやっぱり筆を休めてききました。 「先生」 「なんだい?」 「先生は人に答えは出せないっておっしゃったけど、 でも例えば多くの仕事にはマニュアルがあるじゃないですか。 マニュアルをこなせれば、少なくともその仕事では正解では?」 モノカキ先生は底の見えた湯呑みを置いて ふちをなぞりながら言いました。 「マニュアルは答えじゃない。 効率のいいやり方の一例さ。 常にそのマニュアルを超えようとするのが人間さ。」  
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