先生と書生

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書生は、 自分の前にある モノカキ先生のみみずの文字と沢山の朱い修正の文字が並んだ原稿を見つめました。 そしてそれをキレイに書き直した自分の原稿を見比べました。 今度は書生は筆を休めずに、たんたんと清書をしながら聞きました。   「マニュアルを超えようとする意欲的な人は あまりいないと思うのですが。」 湯呑みの最後の一滴まで飲もうと、 顔を天井にむけたモノカキ先生は笑っていいました。  
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