5702人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
「ハァ、ハァ…」
つ、疲れた~。だってこの人猛ダッシュするんだもん。
普段運動をしない僕にはあまりにもキツかった。
でもさっきのヤクザはすでに見えなくなっていた。
そうとう離れたんだろうか。
「あ、ありがとうごさいます」
とりあえずお礼。と思い、相手の顔を見た。
「……ぁ…」
その人は僕の目の前に立っていた。
ホスト、かな…。髪は綺麗な紅で、首には高そうなネックレスを付けていた。
多分普通だったら近寄りたくないタイプ。
だけど、
「どういたしまして」
微笑んだ。ふわりと、綺麗な笑顔で。
一瞬見惚れたくらいだから、僕は、気付けなかったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!