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そのあとは、そのまま最後まで。
終わったあとアイツは俺にキスを一つ落として、部屋を出て行った。
もう、涙なんか一滴も出てこなかった。
しばらくボーっとしていたら、廊下から仲間が俺を探す声が聞こえたから、服を着て部屋を後にした。
仕事も終わって家に帰ると、夜中だというのに、俺の家のチャイムが鳴った。
「はい…?」
「俺だけど」
相手はアイツだった。
「…どうぞ?」
そう言ってドアを開けると、アイツの手には大きめの袋があった。
「それ、なんですか?」
「これ?これはさ、おまえのリビングにあるものと同じ奴だよ」
リビングにカメラを取り付けた時と同じ笑顔で、アイツは言った。
【リビングにあるものと同じ奴】
…あぁ…貴方はどこまで俺を監視すればいいんですか…?
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