484人が本棚に入れています
本棚に追加
食べ終わる頃、また一人、この部屋に入ってきた。
「おっはよ、姫さん!ご飯食べたぁ?」
さっきの男とは違って、朝からテンションが高いコイツ。
一番付き合いが長いのに、今のコイツの心のうちは全く読めない。
「あ、ちゃんと食べたじゃん。姫さんは偉いね」
そう言って、俺の頬にひとつ、キスを落とす。
その唇を今度は俺の唇に押し付けてる。
手は、俺の手錠をもう一度掛けて、鍵を閉めるところ。
とりあえず目を閉じていたら、コイツの舌が俺の口内に入り込んで暴れ回る。
「んっ・・・ふぅ、んあ・・・・・・」
感情は無くても、快楽を求める図々しさは残っているらしく、いきなりされたディープキスに、不覚にも声が漏れる。
でもそれも、唐突に終わりを迎える。
「ふぇ・・・・・・?」
「続きは夜ね?可愛い俺らの姫さん♪」
バイバイ、と手を振って、彼も部屋を去っていった。
少しすると、また男が一人。
下がった眉の、猫背の人。
最初のコメントを投稿しよう!