姫-プリズナー-

3/6
前へ
/45ページ
次へ
食べ終わる頃、また一人、この部屋に入ってきた。 「おっはよ、姫さん!ご飯食べたぁ?」 さっきの男とは違って、朝からテンションが高いコイツ。 一番付き合いが長いのに、今のコイツの心のうちは全く読めない。 「あ、ちゃんと食べたじゃん。姫さんは偉いね」 そう言って、俺の頬にひとつ、キスを落とす。 その唇を今度は俺の唇に押し付けてる。 手は、俺の手錠をもう一度掛けて、鍵を閉めるところ。 とりあえず目を閉じていたら、コイツの舌が俺の口内に入り込んで暴れ回る。 「んっ・・・ふぅ、んあ・・・・・・」 感情は無くても、快楽を求める図々しさは残っているらしく、いきなりされたディープキスに、不覚にも声が漏れる。 でもそれも、唐突に終わりを迎える。 「ふぇ・・・・・・?」 「続きは夜ね?可愛い俺らの姫さん♪」 バイバイ、と手を振って、彼も部屋を去っていった。 少しすると、また男が一人。 下がった眉の、猫背の人。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

484人が本棚に入れています
本棚に追加