夜 -ナイト-

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               ガチャリ 真っ黒な部屋の扉が開いた。 …あの人が、帰ってきた……。 「ただいま」 「…………」 オレは答えない。 すると、目の前の彼の顔は、一瞬で不機嫌になる。 「おい…何とか言えよ…」 「………」 顎を掴まれて、彼の方を向かされる。 わずかに零れてくる月明かりに、彼の可愛らしい顔が見える。 「……帰ってきたんだ…」 そう言った。 この真っ暗な部屋で、オレは毎日一人置いてけぼり。 .
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