夜 -ナイト-

5/6
前へ
/45ページ
次へ
                カメラの前ではかろうじて許してくれてるけど、こういう場所では絶対許してくれない。 だから…仲間と笑っているオレを見た彼は、 「…帰りますよ」 いきなり強くオレの腕を掴んで、そう言った。 「え…? ちょ、痛いって!今立つから!」 「………」 彼は無言だった。 楽屋の中には、オレの、彼に抵抗する声しか聞こえない。 誰も…喋れなかった。 なぜなら、傍目から見ても分かるほど、彼の怒りは大きかったから。 そして、家に着いたら、今のオレの状態にされた。 「なにすんだよっ」 「こうしたら、もう誰とも会えないでしょう? んふふ。やっと俺だけのモノになった…」 そう言って、彼は微笑んだ。 「ッッ……」 ……恐かった。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

484人が本棚に入れています
本棚に追加