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初めて彼に、“恐怖”を覚えた。
それからも彼は、普通に仕事へと出掛ける。
そして、オレの飯を持ってくる時と夜中。この部屋に来る。
あの、恐い微笑を浮かべて。
何をされるわけでもない。
ただ拘束されて、一緒にいるだけ。
あ。 でもたまにナイフで肌をなぞられるかな?
痛くないよ?全然。
最初のうちは叫び声を上げたような気がするけど…どうだったっけ?
…もう忘れちゃった。
彼に従わないと、痛いだろうから、考えないことにしよう。
「愛してます。だから、ずっと俺のそばにいてくださいね」
オレは…愛してるのかな、彼のこと。
でも、離れるのは嫌だな…。
「うん。ずっとそばにいるよ」
夜はキライ。彼が恐いから。
でも 彼から離れたくない。
彼は恐いけど、オレには必要みたいだから。
だから、夜はスキかもしれない…。
彼に会えるから。
*fin*
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