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「あ~あ。疲れるなぁ。塾は仕方ないとして学校はたまにお休みしたいよねー」
二人して盛大なため息を吐く。
立場ねえな学校。
「学級閉鎖とかさ。しないかなー」
あ~‥オレも学生の頃は風邪とかが流行ると自分のクラスが学級閉鎖んなんねえかなってひそかに逆さてるてる坊主を……吊しはしなかったな。
意味ねえし。
「ホントだよね。でも、待ってるだけじゃ確率、低いよね」「そうだね」
「祈る? 神様仏様観音様菩薩(ぼさつ)様キリスト様ヤハヴェ様シヴァ様ア・ラー様オーディン様ゼウス様ダグダ様黄帝様グクマッツ様オメテオトル様エローヒーム様……アンリ・マンユ様……?ゾロアスター教って何、信仰してんだっけ?」
手当たり次第か。
しかもなんか、ごちゃごちゃだし。
色んな意味で。
アンラ・マンユとアフラ・マズダがごっちゃになってるしな。
「さあ。知らなーい」
「ご先祖様って仏様の事かなー?」「知らないってば」「神社とか」「安全祈願とか家内安全とか学業成就とか交通安全とかだったら聞いた事あるけどねー」
「学級閉鎖祈願とかってないかな?」
それを聞いて、ふふっと可愛いらしく微笑む、相手の女の子。「やだよ、そんな神社」
オレも嫌だ、そんな、後ろ向きな神社。
「ちょっちブラックかな真っ当なお願いじゃないしね」「ホントだよ。美しくないよ」
「ももちゃん‥」おや? 引き締まった顔。なんか良い事でも言うのか?
「勝つってのはね、美しい事じゃないの。むしろ残酷な事なのよ」
「うるるちゃん‥」
ももちゃんは感動しているみたいだが。
間違えてるよ。
使い方間違えてるよ。
その台詞は今使う場面じゃないと思うよ、うるるちゃん。
喉元まで出かかった言葉を、何とかオレは引っ込めた。
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