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ザァーーッ
「おい、なんで雨が止まないか知ってるか?」
「…何戯言を言ってんだ?」
戦地へ向かう馬車の中で、隣りに座っていた同僚が言ってたんだよな…
「おいおい、今から俺達は戦場に行くんだぜ?初陣のやつも多いし、気を和らげようとしてんだから最後まで聞いとけって。」
「…ったく、わかったよ。それで、なんで雨が止まないんだ?」
「そいつはエルフが泣いてるからなんだぜ。」
「それでよ、雨を追っ払う方法が一つあるんだ。その方法ってのがよ…」
「泣かないでエルフよ、そして見せておくれ君の笑顔を…」
小さな声でポツリと呟く。
そして、空を見上げる…
ザァーーッ
「…ふっ、何やってんだろうなオレ。」
馬鹿らしくなり、上げていた顔をおろすと雨が降る音が聞こえなくなっていた。
そして一陣の疾風が吹き抜ける。
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