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貴方の名は?
ぐぅ~~~~~~~…
盛大に腹が鳴る
「………」
なんていうタイミングで鳴るんだ、この腹は…
「……くすっ。」
「貴方の瞳に偽りはなさそうですわ。それにお腹も正直みたいですし。」
彼女は口元を押さえ笑っている。
「私たちの集落はすぐそこですので、何かご馳走致しますわ。」
人間なんかが入っていってもいいのだろうか、と考えていたら彼女はオレの考えを察したのか付け加えるようにして
「すでに結界内に貴方が入ってしまっていますし、貴方は害がなさそうに見えたからですわ。」
満面の笑みで答えられてしまった。
オレは前を歩く彼女に案内されながら歩いた。
「そういえば、君はなんていう名なんだ?」
名前を聞き忘れていたので歩きながら聞いてみる。
「あら、申し遅れましたわ。」
彼女は歩くのを止め、こっちを振り向く。
「私はクレア・アスターと申しますの、クレアでよろしいですわ。」
改まって深々とお辞儀をされる。
「貴方は?」
「オレはピッド。ピッド・タイムだ。」
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