プロローグ

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 現在塾の夏期講習中。なんやかんやで高校入るには頭も必要なので…。    どうも数学がよくわからん。40点以上とった記憶がない。文章問題を諦め、シャーペンを置いた。     正直な話、まだどこの高校に行くか決めてない。   長男の誠一が通った活世工業か。地元の活世高校か。直道の行った…いや、あそこは私立だからやめておこう。           とにかく内申22では進学自体危ないのでなんとか成績を上げないと。   ペンを取り再び机に向かった。       …塾を終え、家に帰ると二階の窓から直道の声。   「おい!キャッチボールやるぞ!」         いつもの事だが自分勝手な兄だ。          渋々グラブをはめキャッチボールが始まった。    タバコをくわえながら直道は言った。 「オレ、草野球チーム作ったから。」 「へー、作ったんだ。そりゃよかったね。」     単純なヤツ。久々の野球がよほど楽しかったらしい。 「んで、明日試合だからおまえ4番ファーストな!」 当然のように告げられた。 一応反発したが一度言いだしたら聞くはずがない。  まぁ高校までのつなぎでやってやるか!
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