プロローグ

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おかげで今年の夏休みは忙しくなった。       あの一発のホームランがきっかけで打撃のコツを掴んだ俺は草野球でそれなりに活躍。                                 今までの試合はほとんど代打でフル出場なんてなかったのに草野球で実戦感覚も掴むことができた。                  要するに試合慣れというやつだ。                     塾もいかなきゃならなかったし、帰れば直道の「野球やるぞ!」が待っていたし。                                   そんなこんなで新学期を迎えた。                     新学期になるとすぐに実力テストが待っていた。生まれてはじめて塾に通ったおかげで成績はかなりよかった。                      といっても全体から見たら中の下くらいだが。               そして平日は学校、休日は野球のサイクルを繰り返しながら俺は二学期をやり過ごした。                                十二月、ようやく草野球もシーズンオフになった頃。                        俺は進路を長男の誠一が通っていた活世工業に決めた。                       後を追おうと思ったわけじゃない。                    ただ内申が低いから。というのと工業高校だから就職には困らないだろう、という理由だ。
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