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プロローグ
七回裏ツーアウトランナー1塁。代打オレ。
三年生の中には泣いているやつもいる。
背番号3をつけながら代打の石元賢くん。←オレのことだ。
守備も下手。変化球もダメ。かといってストレートに強いわけでもない。ただあるものは184㌢85㌔の体だけだ。
相手投手はセットポジションから右腕を振りぬいた。
カーブ…なぜだか今でもわからない。いつもなら心地よい風を吹かせるオレのバットはその時だけカーブをとらえた。
…高くあがる打球。
俺の中学で最後に放った打球は相手投手のグラブに吸い込まれた。
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