1-1 winter again/rebirth arc?

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「待ってください」  士郎達が少女と剣士の脇を抜けると同時に、少女は三人を呼び止めた。 「確かに第五次で聖杯戦争は終結していたようですね。ですがその手の令呪は何ですか?」 「……っ」  少女は幽鬼を思わせる悲壮さを漂わせながら立ち上がる。  その顔とは裏腹に、声は元の平静さを取り戻していた。 「セイバーをこの目で見ることが出来たのは非常に嬉しいです。正確な能力分析が出来ますから」  傍らの剣士が再び剣を構える。その身に刻まれていた傷は影も形もなくなっていた。 「互いにサーヴァントが出揃いました。仕切りなおしと行きましょう、『第六次聖杯戦争』を」 「シロウ、下がってっ」  士郎の前に出て構えるセイバー。そのやや斜め後ろに凛が陣取っていた。 「サーヴァントの相手は任せたわよ、セイバー」 「ええ。マスターの方は頼みます、凛」 「士郎、準備はいい?」 「あ、ああ」  衛宮士郎の絶対にして唯一最強の、ある種呪いとも取れる魔術。  その詠唱は他者に真似できても、そこに秘められた本質までは衛宮士郎以外に詠唱(ロード)することは出来ない。  シンプルに。全てを込めて。己の力を顕す。 「トレース、オン」  ―全ては其処に在る―  眩い雷光のような魔力とエーテルの拡散が終わると、その手には二振りの剣が握られていた。  コントラストの刃。妻の犠牲が生み出した絆の夫婦剣。これから先も振るい続けた、一番、衛宮士郎の手に馴染む武器。  『干将・莫耶』 「準備OKだ、遠坂」  士郎の頭が戦いへの備えを完了した。 「手加減はしないでください。力量を見誤りますから」 「いい度胸ね。お望みどおり全力で叩き潰してあげるわ」  限界まで張り詰めた空気。  数秒しか経っていない時間が、薄く薄く引き延ばされ既に数時間が経過したような錯覚に陥る。  ……ヒュィィ…………ィィイン――  空気を切り裂いたのは、一本の剣。  柄に「青紅」と彫られた両刃の剣。それこそは三国志の劉備軍勇将・趙雲が愛用した名剣『青紅剣』だった。
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