~出会いは氷雨と共に~

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「そんなことより、悠斗!」 「……何だよ?」 無駄に鰻登る親父のテンションに、嫌な予感が止まりませんね。 若干、額に変な汗をかきはじめた自分がいるよ。 「雨で体がベタベタじゃないか?」 「……そうだけど」 「よしっ!パパと一緒にお風呂に…」 「黙れっ!」 右手が知らぬまに親父の顔面を捉えていた。メキョ、みたいな嫌な音と共にその場に崩れ落ちる。 ほぅ……これが巷で有名な反射か。 「着替えてくるから。飯は部屋で食うから気にしないで」 「あらそう?分かったわ~」 ビクつく親父を珍しい生き物のようにつつきながら、笑顔をこちらに向けて頷いてくれる。 色々訳分かんないし、親父はキモいし、疲れたしで今日は早く眠れそうだった。
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