12人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなことより、悠斗!」
「……何だよ?」
無駄に鰻登る親父のテンションに、嫌な予感が止まりませんね。
若干、額に変な汗をかきはじめた自分がいるよ。
「雨で体がベタベタじゃないか?」
「……そうだけど」
「よしっ!パパと一緒にお風呂に…」
「黙れっ!」
右手が知らぬまに親父の顔面を捉えていた。メキョ、みたいな嫌な音と共にその場に崩れ落ちる。
ほぅ……これが巷で有名な反射か。
「着替えてくるから。飯は部屋で食うから気にしないで」
「あらそう?分かったわ~」
ビクつく親父を珍しい生き物のようにつつきながら、笑顔をこちらに向けて頷いてくれる。
色々訳分かんないし、親父はキモいし、疲れたしで今日は早く眠れそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!