12人が本棚に入れています
本棚に追加
「して……此処は何処でござるか?随分と風変わりな屋敷とお見受けするが……」
「待った。取りあえず、こっちの質問に答えて貰う。
分からない事だらけなのはこっちの方だ」
「む……これは誠に失礼をした。助けて頂いた身でありながら度が過ぎたでござる」
そう言ってまた深々と頭を下げるこの男。
……案外、良い奴なんじゃない?
いや!しっかりしろ!相川家最終防衛ライン!
お前がやられたら、誰がこの家の平和を守るんだ!!
みたいな脳内寸劇を終えて再び気を引き締める。
「まず、職業」
「しょくぎょう……?身分の事でござるか?若様のお目付役でござる」
「年齢」
「数え年で二十歳でござる」
「出身」
「甲斐の国の名も無き農村でござる」
「好きな食べ物は~?」
「好きな女性のタイプも!あ、タイプっていうのは種類って意味な」
「あんたらは入ってくるな!」
人が真面目にやってんのに何でこんなに空気ぶち壊すかね、この両親は。
どこぞのカウンター技大好き天才テニス中学生みたいな笑顔しやがって……。
「拙者、金平糖が好物で、やはりおなごは品のある落ち着いた……」
「あんたも答えんでいい!」
最終防衛ライン“ユウト”最早壊滅寸前であります、はい。
最初のコメントを投稿しよう!