~出会いは氷雨と共に~

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やっぱ薄気味わりぃ……。 立ち並ぶ民家から漏れる音と光が励みとなるが、我が家のある通りまで一直線に伸びるこの道は異様に長く感じる。 そして、雨のせいでその不気味さは50%増ぐらいの勢いだ。 ただの猫ですら「早く人間になりたーい!」とか言い出しそうだもん。 「歌でも歌ってやろうか」 あまりの怖さに幼稚園児以下に成り下がろうかと本気で考え出した時だった。 「ん?」 ふと、左の方に光を感じて見てみると、道と呼べるのか傘がギリギリ通りそうな細い道がある。 少し目を凝らしてみると、奥は小さな路地になっているようだ。 「……行ってみるか」 妙に沸き立つ好奇心と若干の恐怖心が入り混じった高揚感を覚えながらゆっくりと足を進めてみる。 そして、そーっと小さな路地を覗き込む。 「……は?」 待て。今、変なのいた。思わず首引っ込めちまったぞ。 幻覚か?何かの映画の撮影か?そう言う趣味の方か? ……今、武者がへたり込んでいたような? いや、気のせいという可能性もなきにしもあらずなわけで……。 「む?」 あっ、バッチリ目合っちゃったっ、テヘッ☆……じゃなーい! どうする?どうするんだ!?やっぱり初めましてから、って挨拶してどうするんだよ! などと思っていると、考えが纏まらない内に鎧武者の上に向いていた首がしっかりとこちらを向く。 俺もいつの間にか壁から全身を出して立ち尽くしていた。
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