『Cask』

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アトリエは街へ続く大通りの途中、小道を少し入った所にある。 『Cask』と書かれたカラフルな看板はみんなの手づくりだった。 「あ、夏姫ーっ!!遅いよぅ」 中へ入ると美和子が駆け寄ってくる。 「ごめんごめん、すっかり忘れてて」 「うわ、ひでぇ。俺らは朝から作業に没頭してたっていうのに」 カタカタとミシンを走らせながら、唯伊が言った。 奥の図面台では黙々と型紙に鉛筆を走らせている雪野の姿が見えた。
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