俺が一番ドミナント

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「…ったあ…大丈夫か?」 瓦礫と化したサークシティの正面ゲートの中から、一人の男が顔を赤と黒で染めて立ち上がった。 「…まぁ…な…生きてはいる…」 それにつられるように、もう一人の男がゆっくりと立ち上がった。この場所は、数時間前に突然現れた、アライアンスのACにより破壊されたのだった。周囲の構造物は殆どが、グレネードによる攻撃を受けたのか、無惨に吹き飛ばされ原形を大きく変えている。 「あの黒いヤロー、次会ったら……って、何だ!?」 「アライアンスのAC…三機もだと!?」 鉄塊の奥から彼らが見た物、それらは彼らにとって最も見たくない物であっただろう。ブーストの噴射炎と轟音を周囲に撒き散らしつつ、二脚ACが青と黒の計二機、そして白い四脚ACが接近していたのだ。それらは頭部センサーを獰猛に光らせ、迷うこと無く正面ゲートを捉えていた。 「やべぇ!逃げるぞマルコ!」 「お、おう!」 彼らは未だ出血の止まらない肢体に鞭を打ち、一目散に逃げ去った。三機のACが侵入したのは、そのすぐ後の事であった。   「この辺りだな、連絡が途絶えたのは」 AC一機が通れる程度の通路の行き止まりで、若い、しかしカリスマ性を漂わせる声が響いた。 「はい。ピンチベックのレコーダーは、ここでリンクを絶ちACを降りたと記録しています」 「どうします?隊長」 二人の男の声が、再び通路に響いた。三人の男はパイロットスーツを着用しており、今ACから降りたところだと分かる。また、その左胸には、それぞれアライアンスのエンブレムが描かれていた。 「…二手に分かれる。お前達はこの扉の奥を調べてくれ。私は上から行く」 隊長格の男は、通路の脇に取り付けられた梯子を見つつ言った。その瞳にはある種の力が宿っており、有無を言わさぬ物があった。 「敵本拠地での作戦行動だ。ぬかるなよ、トロット、ジャウザー」 「「了解」」 トロット、及びジャウザーの両名は敬礼し、隊長格の男も返すと、梯子に手をかけ登っていった。二人は扉を開き、銃を抜いて警戒しつつ進行していった。 「…トロットさん」 「…なんだ?」 急に、ジャウザーが口を開いた。トロットは、緊張しながらも聞き返した。 「妙な…匂いがしました。この奥、そう遠く無い場所です」 彼は首を通路の奥の方へと振り、足取りを早めた。彼のプラスの能力を活かしての行動であったが、トロットは不安になって口を挟んだ。 「慎重に行けよ」
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