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「よし、次は俺が行こう」
Ωはそう言うと、鳥大老の剥き出しの射出口へとガトマシを撃ち込んだ。同時に、逆関節型特有の上下運動を開始し、コンデンサのエネルギーを出力していった。
彼らは既に数ラウンドを終えているとはいえ、そのKARASAWAに衰えは見られなかった。これも、諸能力を強化された『プラス』ゆえの力だろう。ジャック・Oが目を付けた絶大揃い、それがバーテックスだった。
「俺にも、頼む」
突然、ライウンはその背中を鳥大老に向けた。歴戦で鍛え上げられた、ドラゴンの如き杭の威力を、身を持って体感したかったのだ。
「小僧、お尻を粗末にしたな」
そう言って、鳥大老は自分がブレードによる刺突を受けているにも関わらず、ライウンにもドラゴンを突き立てた。その周囲が赤熱化し、双方のエネルギーが蓄積されていく。
「く…」
「もうか?意外と早いんだな」
先にチャージが限界に達したのは、Ωだった。鳥大老の方が軽量級らしい、アクティブなアクションをしていたが、まだ持ち堪えているあたり、流石といったところだろう。
「ここで果てさせていただきます」
数世代先の某社新女王のような台詞を吐き、Ωのガトマシが弾丸を放出しきった。だが、まだマガジン一個程度である。またリロードを完了させるまでに、そう時間はかからないだろう。
「しかし、やはり彼は凄いな」
例によってオーバードブーストを繰り返す鳥大老は、大型射突兵器を振りかざすジャック・Oを眺めつつ言った。彼の足元には、何人もの有象無象が倒れている。全て、彼の次元とっつきを受け、果てた者だった。
「やはり弱者とは出来んな…」
そう彼は言い放った。彼は次なる獲物を探したが、そこへ、見慣れないレイヴンが一人現れた。
「手こずってるようだな、尻を貸そう」
その男はおもむろに脚部装甲をパージすると、ジャックの前に立った。
「よく来てくれた、巫女○こナース」
ジャックはそう返し、再び主砲のエネルギーチャージを開始した。どこからともなく、若い女性の声が響いていた。
『みなさ~~ん、元気ですか~~~? それでは早速、逝ってみよ~~~!』
「ふ・た・り・で、や ら な い か ♪」
ジャックの目が、突然生き生きとしだした。見慣れないこの男は、恐らく彼の旧友なのだろう。その対戦には、手慣れたものがあった。
「じっくり見せてもらおう」
「手を抜くなよ?」
ジャックは、素早く次元とっつきを起動した。
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