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女子生徒の制服は、上は男子生徒の合わせ違いだが、下はスカート。
ただし短い。
脚を上げたままというのは、観てくれと言わんばかりだ。
今の状況を直にでも変えたいレナルドは、周囲の心の声に突っ込みを入れながらミリアに告げる。
「ミリア、直に脚出す癖は直した方が良いよ?君も女の子なんだから…」
それを聞いたミリアは、上げた脚を下ろしつつ、ニヤリと薄笑みを浮かべ
「あらぁ?レン、ちゃんと意識してくれてたんだぁ~……」
と、レナルドにだけ聞こえるように呟く。
レナルドはその一言を聞いて、一瞬ドキッとし顔をまた赤らめた。
頬をポリポリ掻きながら「…まぁ…ね…」と曖昧に答えながら。
その返事を聞いて、満足そうな笑顔に変わると、再び後から抱き付いた。
ルーファスが二人のやり取りを見て、頃合いだと判断したのか声を掛けてきた。
「二人共。いちゃつくのは良いが、ここが学園だと言うことを忘れてないか?」
「わ………忘れてないわよ」
実際は、アルフレッドを蹴り飛ばした辺りから忘れていた。
「ふっ、何だ?その微妙な間は。蹴り飛ばした後、脚が上がったままだったぞ」
指摘されたミリアは、自分の顔が赤くなるのを感じて、心の中で舌打ちするのだった。
その舌打ちが聞こえたのか、ルーファスは更に続けた。
「ふっ…はしたない。全く、いつもレンの尻を見てるからだぞ」
「だから人を変態みたいに…」
レナルドの後から右側へ左足を出したかと思うと、その左足を支点にして、右脚を撓らせてルーファスの首に向かって蹴りを放つ。
「言うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ルーファスの首に決まるかに見えた直前、首の周りにぼんやりとした光が浮かぶ。
その光にミリアの、同じくぼんやりとした光を、薄っすらと纏った脚が当たる。
その瞬間…
ドゴォォォォォォン…
光同士がぶつかり合い、爆ぜた。
そして爆音となって響き渡った。
ぼんやりとした光とは、魔力の塊だった…。
アルフレッドの時とは左右対称となる姿勢で立つミリア。
彼の時は正に逆の事が起こっていたのだ。
一度目は何が起こったのか理解できなかった周囲も、二度目は理解できた。
それ故に目の前の光景…レナルドは終始見えないように下着を隠している…それに憤慨する。
『だからお前邪魔!』
「それはもう良いよ…」
レナルドは取り敢えず突っ込み入れて、ミリアの姿勢を正し、飛んで逝った?二人を探しに行くのだった。
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