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2 バイブの振動は、3回で止まった。 メール、か……。 俺は、auのW63CAをデニムの尻ポケットから取り出して。 届いたばかりのメールを確認する。 送り主は、予想通り真希からだった。 件 今日は早いの? お仕事、お疲れさま。 ご飯どうする? 真希からのメールは、いつもこんな風にシンプルだった。 件 Re : 今日は早いの? ごめん、仕事。 遅くなると思う。 >お仕事、お疲れさま。 >ご飯どうする? 俺は、すばやくそんなメールを返して。 ゆっくりと、ケータイを尻ポケットに戻した。 バスルームのドアが開く。 素肌に、薄いバスローブを羽織った美弥が。 艶やかな微笑をたたえて、俺を見つめる。 俺は、何事も無かったかのように美弥に歩み寄って。 美弥をギュッと抱き締めた。
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