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AQUARIUM
たしかあの角を
曲がったな。
街の色は
随分変わったけど
あの高く高く
そびえるビルは
変わらずに
今も僕を迎える。
あの時未来なんて
あのビルの先の
雲よりも遠く高くに
感じてたけど
今は過去が
どんどん遠く
なっていくみたい、、、
僕に
過去はありましたか?
未来はきましたか?
まだ胸の中で
僕の両肩を優しく
掴む温もり。
きっと忘れないから
この場所には
二度とは来ないけれど
あのガラスの
向こうで泳ぐ魚たちは
忘れるのかな?
君は何処?
君を信じられなくて
僕から手を離したのに
この痛みは?
ずっとこの場所で
僕は宛もなく
泳ぎ続けている魚です。
振り返ることの
無意味な気持ちを持って
君は何処?
待ち合わせは
ブランコと砂場しかない
いつもの小さな公園
だったよね。
駅へ向かうまでの
僕たちの
自転車に吹く風が
僕の熱を少しだけ
冷ましてくれてたかな。
互いの常識と
寂しさが重なりあっても
きっと誰も
理解できない。
二人が落としてきた物が
間違ってなければ
理解されなくてもいい。
間違ってなければ、、、
会えない時の
切なさは誰が
思い付いたのかな?
誰が?
今の僕の幸せは
この水槽で
泳ぐ魚たちと一緒?
答えの返らない返事に
涙の
カケラがホロホロと。君を信じられなくて
僕から手を離したのに
この痛みは?
ずっとこの場所で
僕は宛もなく
泳ぎ続けている魚です。
振り返ることの
無意味な気持ちを持って
君はどこ?
サヨナラを
聞きたかった
だけなんだ、、、
背にしたビル
振り返った時
オレンジの夕日が
ゆっくり
ゆっくり
沈んでいった。
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