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―――旅立てませんでした。いきなりの闖入者さえいなければ確実に旅立ててますよ、今のは。
そして朝からこんなテンションの高い人間なんて僕の知り合いには1人しかいません。友人(?)のバカが僕の部屋に突撃して来たのです。
その際に部屋のドアの蝶番がダメージを受けていないかが心配で心配で仕方ありません。
しかし、そんな蝶番のことよりも僕の幸福は僅か数十秒で終焉を迎えたのです。このバカによって。
それが嘆かわしくて仕方ありません。もしくは憎くて仕方ないです。
「ん?起こしに来てやったんだからさっさと起きろって!」
テンションの高い金髪のバカは清々しいスマイルで言いました。
僕の幸福をぶち壊しておいてなんでそんなに清々しいスマイルなんでしょうね。
アレですか?僕の幸福をぶち壊せたのが嬉しいんですか?
なんて思考をしながらもバカを澱んだ目で睨みながら一言。
「………おはようございます。朝からそのテンションは御近所迷惑ですから止めてください。………このバカ」
朝は御近所迷惑にならないよう静かに喋る僕…善良な一市民としては当然ですね。
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