出会いは唐突かつミステリック

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◇◇◇ 「よっ、ほっ、っと!もうちょっと」 長い階段を時々一段飛ばしたり遊びながら登っていく。 しかし、長い階段だ。 面倒臭く疲れる反面、これはこれでなかなか楽しいと気付く。 「よっと!」 最後の一段を軽くジャンプし頂上に到達した。 振り返ると眼下にはここら一帯の住宅街がある程度は眺めることはできた。 「ウチはー…あぁ、木が邪魔だ」 左を眺めるが木が覆い茂り見えない。 「見えないかー…しゃーないな」 お世辞にも「素晴らしい街」なんてことは言えない、綺麗に区画整理されている訳でもないし、空気が澄んでいる訳でもない。 …まぁ、美学の基準なんてそんな分からないけどなー……… そんなことを思いつつもう半回転。 神社の社が見える。 見る限り普遍的な社で、しっかりと造られているように感じる。 次に、鳥居を仰ぎ見る。 朱い鳥居が闇から浮き出ている。 しかし、目を凝らしてようやく分かる程度だ。 それを見て、何の気もなしに鳥居をくぐった―――
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